１０．２６事件関連人物／車智�K大統領府警護室長

車智�K 차지철（チャ・チチョル、チャジチョル） 生没年：１９３４年１１月１６日〜１９７９年１０月２６日 大統領府警護室長。事件当時４４歳。京畿道（現在はソウル特別市？）出身。 １０．２６事件が起きた当時、「大統領有故」の知らせを聞いた政府要人のほとんどが、犯人は車智�Kだと疑うほど、周囲からの評判が悪い人物であった。そのため、１０．２６事件の再現ドラマや映画では、暗殺犯の金載圭を差し置いて専ら悪役担当である。 相手が長官級であっても呼び捨てにするなど、目上の者に対しても傲慢不遜な態度だった。ただし、前任の警護室長は長官を袋叩きにするような人物だったので、警護室長の不遜な態度は車智�Kに始まったという訳ではない。 ◆５．１６クーデター 朴正煕が政治的実権を握るきっかけとなった５．１６軍事クーデターに参加した際には、空輸団の大尉として活躍、朴正煕の左隣り（画像右）で手榴弾をぶら下げた迷彩服姿の男として知られる。 ◆犬の仔 水商売の母親は車氏姓の男性の後妻となって車智�Kを出産するが、腹違いの兄弟達からは犬畜生同然に蔑まれて育つという不遇な少年時代を送った。周囲の者と交わる事ができず、一人黙々と格闘技に打ち込んでいたという。このような成長過程は、後々までコンプレックスとなり、人間関係に支障を来した。 佐官級で退役した後、国会議員となる。父親からの情に飢えていた車智�Kは、自分を可愛がってくれる朴正煕に対しことのほか恩義を感じており、朴正煕も警護室長の事は肩書きではなく名前で呼ぶなど、近しい存在としていた。 ◆裏の顔は清廉潔癖？ 傲慢不遜な人物として周囲からは非常に嫌われていたが、実は大変な母親思いで、孝行息子として知られていた。敬虔なクリスチャンで、朝夕の礼拝を欠かさなかった。また、政治工作のための集金活動は行ったものの、私利私欲のための蓄財とも無縁だった。 柔道、テコンドー等の格闘技を好み、見るからに体育会系という風貌だが、その実、大変繊細な神経の持ち主で、壁にかかっている絵が５ｍｍ曲がっていたり、部屋の隅に埃一つ落ちてるのも許さないほどだった。 若輩者と舐められないように、３０代のうちから６０代のような服装をしていた。 警護の職務上、大統領からの酒を断っていたが、実は元から下戸だったとの事。 ◆トイレに逃げ込む 事件当時、金載圭から銃撃を受けるや、真っ先にトイレに逃げ込んでしまった。この行動が警護室長としては無責任だったため、彼の印象をますます悪いものにしてしまった。しかし、彼は大統領の意向で酒席では銃を携帯しておらず、また、金載圭から最初の銃撃を受けたのも彼だったため、やむを得ない側面もある。 ◆ガチムチ系の俳優 韓国人には珍しいタイプの容貌のせいか、１０．２６再現モノでは、顔が似ている俳優が演じる事はほとんどないが、上背がなく、肩幅の広いガッシリとした体型の俳優が起用されるのが常である。過去には８０年代の韓国を代表する俳優が２度も車智�K役を演じた事がある。

[ 「１０．２６関連人物」へ戻る ] [ ＴＯＰへ戻る ]