10.26事件関連人物/全斗煥陸軍保安司令官
全斗煥
전두환(チョン・トゥファン、チョンドゥファン)
生年:1931年1月18日〜



陸軍保安司令官。事件当時48歳。慶尚南道陜川出身。
10.26事件の合同捜査本部長に任命され、以降、捜査の指揮を執る過程で12.12粛軍クーデターを起こし、軍内での実権を握って大統領に就任する。
朴正煕軍事独裁政権が倒れ、国民からは民主化を切望されたが、光州事件では一般市民を弾圧。“新軍部”と呼ばれる軍事独裁政権を再び誕生させた。

◆ハナフェの中心人物
陸軍士官学校11期生で、初の4年制卒業者として、11期生達には特別な自負心があったという。
全斗煥の士官学校時代の成績は悪く、いつも居残り組だった。サッカーに熱中し、ゴールキーパーを務めていた。
同11期生である盧泰愚、鄭鎬溶ら嶺南出身者らと共に、私設組織「ハナフェ(一つの会の意)」を結成。この軍部内での強い人脈が全斗煥大統領を誕生させ、政権を支えていた。
老若男女問わず、人の心を掴むのが上手く、朴正煕に気に入られ、佐官級の内から一緒にテレビでボクシングの観戦をするなどしていた。
5.16軍事クーデター当時は予備役将校訓練部隊の教官を務めており、陸軍士官学校の生徒を率いて、クーデターを支持するデモ行進を行った。

◆大統領としての功罪
光州事件や金大中に対する死刑判決などの人権抑圧、親族絡みの不正等で長らく非難され続けてきたが、近年では、経済成長や対日改善、五輪誘致などの功績が再評価されつつある。
ラングーン事件や大韓航空機爆破事件などの被害で、北朝鮮との関係はこの時期に悪化した。



◆五共非理
4人兄弟の3番目(姉1、兄1、弟1)で、弟の敬煥は10.26当時、大統領府警護室に務めていた。
血族主義的傾向が強く、親戚・姻戚ぐるみで収賄、蓄財するなどの不正が発覚。妻の李順子と共に、江原道にある百潭寺で隠遁生活を送っている。



◆死刑判決を受ける
金泳三政権時代に、12.12事件や光州事件などの罪を問われ、反乱及び内乱目的殺人などの罪で死刑判決を受けた。その後、特赦されている。

◆「第5共和国」の主人公
MBCで放送された現代政治史ドラマ「第5共和国」の主人公として、李コ華(イ・ドックァ)によって演じられた。その前の「第4共和国」では、全斗煥政権当時、あまりにも大統領に容貌が似すぎていて不謹慎であるという理由でテレビ出演禁止になっていた朴容植(パク・ヨンシク)が全斗煥役を演じていた。その後、朴容植と全斗煥側は和解している。
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