「コリアゲート」vs「第4共和国」 |
◆維新ドラマ・初対決では「コリアゲート」に軍配 先週放送された、10.26事件に取り組んだ政治ドラマ、MBC「第4共和国」(水・木曜午後9時50分)とSBS「コリアゲート」(土曜午後8時50分)の初対決は、視聴率の面で「コリアゲート」に軍配が上がった。 「第4共和国」より二日遅れで開始した「コリアゲート」は、「第4共和国」の再放送的なものになるかもしれないといった憂慮にも関わらず、42.5%の平均世帯視聴率を記録し、週間視聴率第2位に上る勢いを見せた。 SBS側は、「最初から40%を超える事は『砂時計』も成し得なかった快挙。来週からは視聴率第1位のKBS2TV『若者の陽地』をしっかり抑えて、“第2の『砂時計』神話”を再現すると言って、鼻息の荒さを隠せなかった。 水・木曜日の平均視聴率31.5%で5位に上った「第4共和国」は、「『コリアゲート』に10%以上の差を付けられたのは、当日の緊急編成で、曜日を変更して放送したため」と言って弁解している。初日に比べ、二日目の方が大幅に視聴率が上昇した事を見ても、視聴者に編成変更が充分に知られた今週からは、「コリアゲート」の視聴率を抜くだろうとMBCは豪語している。 これとは別に、内容については評価が異なる。全体的には、「コリアゲート」は筋書きの面で先んじ、「第4共和国」は役者の巧みな演技が際立ったというのが一般論だ。特に役者を実在人物に反映させて見る時、MBC側の役者達の方がずっと似ているというのが、放送関係者や視聴者らの共通意見だ。 10.26の背景と展開過程などは概して一致しているが、具体的な場面描写と台詞では違いを見せている点も是非の対象となっている。両社とも膨大な資料調査とインタビューなど、徹底的な考証を経た正統ドキュメンタリードラマという点を強調しているが、劇中の人物達が大部分生存していて、現在の政局図とも絡み合い、政治勢力の利害関係に縛られているという面で、ドラマが展開していくに従って、多くの論議を巻き起こしそうだ。 「第4共和国」の先週放送分でも、新民党院内総務だった黄洛周議員が金載圭中央情報部長に会う場面について、黄議員側は、「当時、金正燮国内政治担当次長補に会った事があるだけで、金部長には会わなかった」と主張している。 このように、いわゆる“玉にキズ”がどれくらい出てくるかという事も関心事だ。既に、「青瓦台専用のヘリの機種が違う」、「当時にはなかった連合通信年鑑が大統領執務室の本棚にあった」などの誤りが指摘されていて、二つのドラマに対する熱い関心を示している。 [朝鮮日報 1995年10月23日] |
◆「第4共和国」と「コリアゲート」、考証異なり混線 維新時代の終幕を題材にしたMBC「第4共和国」とSBS「コリアゲート」の演出者達はそれぞれ「10.26当時の状況を、徹底した取材と考証を通じて生かし出した」と言う。しかし、両ドラマは、当時の状況再現の点で、多くの違いを表した。 これは、過去にまともに議論できなかった政治的状況を、現在に正確に生かす事で視聴者によって審判を下せるようにするという政治劇画の精神に反するものだ。 両番組の違いを見てみよう。 ![]() ![]() 「第4共和国」(左)と「コリアゲート」(右)のヘリ ◇大統領専用のヘリコプターの柄が違う――「4共」はヘリの中間に青い帯がある一方、「コリア」は上半分が空色である事。ヘリの機種も異なっている。 ◇挿橋川堤防竣工行事の時の金載圭の行状――「コリア」では青瓦台ヘリポートまで付いて行ったが、車智K警護室長によって制止された。「4共」では初めから青瓦台には行かないものとして描写された。 ◇朴大統領がヘリで牙山一帯を見渡す場面――「4共」は裸眼で、「コリア」では双眼鏡を使用。 ◇鄭昇和と金正燮の会食場面――「4共」では椅子に座って、「コリア」では座敷に座って食事している。 ◇宮井洞の晩餐は誰の発案か――「4共」では大統領が自ら思いついて指示、「コリア」では車智K警護室長の勧誘で大統領が指示。 ◇金載圭のカクテルの実力についての大統領の評価――「4共」では、金桂元が金載圭のカクテル作りの実力をベタ誉めするが、大統領は「濃すぎる」と言って良くない反応を見せる。「コリア」では「味が良い」と誉める。 歴史的事実以外に、もう一つの大きな違いは、当時の状況を説明する部分。「コリア」の解説者は敬語を使用する一方、「4共」では敬語を使わない。 [中央日報ニューメディア 1995年10月23日]
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※「第4共和国」でのヘリからの視察場面では、
実際には、朴正熙は裸眼ではなくサングラスをかけていた。
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